革製品好きなら一度は耳にしたことがある「タンナー(tanner)」。革の品質を左右する重要な存在であり、財布やバッグ、シューズなどの革製品の“命”とも言えるパーツを生み出す職人たちです。
この記事では、世界中で高く評価されている有名タンナーを、国別に一覧でご紹介します。クラフト好きからレザー愛好家まで、必見の内容です。
イタリアの有名タンナー【伝統のベジタブルタンニンなめし】
バダラッシ・カルロ(Badalassi Carlo)
「ミネルバリスシオ」「ミネルバボックス」が有名なタンナーです。高品質な植物タンニンなめし革で独特のシボ(しわ)と柔らかな質感が特徴で、使い込むほどに深い色合いと艶が増すエイジング(経年変化)を楽しめます。
ワルピエ(Walpier)
カラーバリエーション豊富な「ブッテーロ」が有名なタンナーです。高品質な植物タンニンなめし革で発色が良く、使い込むごとに光沢が増し、深みのある色へと変化します。
フランスの有名タンナー【ハイブランド御用達】
デギャーマン(Degermann)
ボックスカーフや型押しレザーに強みがあるタンナーです。エンボス加工されたドーフィンなどが有名で、数多くのハイブランドの財布や靴などに使用されています。
アースト(Haas)
「ヴォー・エプソン」など、エルメス革の供給元としても有名なタンナーです。ヴォー・エプソンは細かく繊細な型押し(エンボス)加工が特徴で、傷や汚れが目立ちにくく、耐久性も高いのが特徴です。特に「バーキン」「ケリー」「エブリン」などエルメスの定番モデルで使用されています。
デュプイ(Tanneries du Puy)
ジョンロブやベルルッティでも使用される高級カーフで有名なタンナーです。特に生後6ヶ月以内の仔牛の革を使用したボックスカーフはきめ細かいなめらかな銀面(表面)を持ち、高級靴や財布に利用されています。「一切の妥協のない、洗練されたカーフレザーが好き」という方には間違いなくおすすめのタンナーです。
ドイツの有名タンナー【機能美と品質の融合】
ワインハイマー(Weinheimer)
ドイツの高級皮革メーカーで、高品質なボックスカーフ(Box Calf)やグレインカーフを得意とする名門タンナーです。かつて世界的に有名だったフロイデンベルグ社のカーフレザー部門を引き継いだことで、今も伝統と技術を守りながら最高級の革を供給しています。
日本の有名タンナー【品質とクラフトマンシップ】
栃木レザー
昔ながらのピット槽を使ったベジタブルタンニンなめし。堅牢で美しいエイジング。
姫路レザー
多様な鞣し技術を持ち、コストパフォーマンスにも優れる地域総称。
宮内産業
国産コードバンのトップメーカー。希少性の高い高級素材を生産。
アメリカの有名タンナー【無骨でタフな革】
ホーウィン(Horween)
「シェルコードバン」「クロムエクセル」で世界的に有名。武骨で男らしいエイジング。
まとめ:タンナーを知れば、革の魅力が何倍にも広がる
タンナーの違いを知ることで、革製品の見方が変わります。「どこで作られた革なのか?」という視点を持つだけで、その製品の価値や背景がより深く理解できるようになるでしょう。
自分の使っている革製品にどのタンナーの革が使われているか、ぜひチェックしてみてください。
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